項目
1)歴史
2)現代に伝わるピラティス
3)コントロロジーシステムについて
4)現代のピラティスの状況;団体について
5)ピラティス(動画)
6)どこで受けられるのか
<Pilates History>
ジョセフ・ピラティズは1880年にドイツに生まれました.
幼少期はリュウマチ熱や喘息やくる病に悩まされ、特に呼吸器系が弱く病弱でした。そこで、彼は身体活動と体のバランス調整で病気を克服しようと模索し始めました.
彼は元々、『文武両道』という理想的な人物像に興味を持っており、その目標を追い求めボクシング・レスリング・体操・ヨガ・座禅・ダイビングを始めました.
1912年、彼はドイツを離れ、プロのボクサーとして訓練を受ける為にイギリスへ渡りました。イギリスで彼はサーカス団員として働き、ロンドン警視庁の警官に護身術を教えました.
第一次世界大戦勃発時、彼はボクサーと共にイングランドツアーをしていました.
戦時中、彼は在住外国人としてランカスター近くの収容所に拘束されました。この期間 拘留者の仲間に護身術とボディビルディングを教えました.
ジョーによれば、1918〜1919年にインフルエンザが流行した時、彼が率いるトレーニングを行っていた者の中で体調を崩した者・死者は一人も居なかったそうです.
この事を機に収容所のリーダーの目にとまり、後にマン島の病院で看護師として働き始め、30名に患者の担当となり、毎日欠かさず患者が動ける範囲のエクササイズを続けました.
この当時、西洋医学がまだ未熟で、手術モルヒネの投与以外の治療法があまり無かった頃のことでした.この頃の看護はベッドで安静にする事であり、それは筋萎縮・有酸素容量の欠乏・免疫力の低下をもたらしていましたが、彼のエクササイズは、病院のベッドにスプリングをつけ患者の筋肉に十分な抵抗が与えられ、患者の回復力を早め体力と筋肉の正常な張りが維持出来る様になりました.
この経験が彼をリフォーマー(マシン)の設計へ導きました.
戦後、収容所から釈放されたジョーはドイツへ戻りハンブルグ警察の訓練に当たりましたが、母国の政治情勢を好ましく思っていなかった彼は、アメリカへ渡りました.
渡航中、彼は後に妻であり、パートナーとなる看護士でもあったクララと出逢います.
1926年に二人はニューヨークの8番街のニューヨークシティバレエと同じビルに、ピラティズスタジオを開設しました.このスタジオで彼が名付けた『コントロロジー』を指導し始めました.
彼の夢は『心身の健康というものを、生活の様々な面で導入したい』という事でした.
彼は、熱心な指導者や生徒が集まった小さなグループを教え、彼の革命的な考えに世の中が着いてくるまで、その中の数名が彼の教えを引き継いできました.
<現代に伝わるピラティス>
1)フィットネス系のピラティス
East Coast Style トラディッショナルなスタイルで行うピラティス
*特に身体には怪我などの問題が無く、パフォーマンスの向上、怪我の予防として行うトレーニング
2)リハビリ系のピラティス
West Coast Style
モディフィケーション エクササイズから始める(プレピラティス)
<Joseph Pilates “Contrology Sysytem”>
1) Breathing (呼吸)
呼吸は、心と体の間の必要不可欠な繋がりを持つものです.
呼吸によって散漫な心が体に戻り、手元の仕事に集中出来る様になります.
呼吸は私達の存在の基盤であり、生まれてから死ぬまで断つ事のできないリズムです.
エクササイズを行う時は呼吸をする事で細胞に酸素を送り、肺活量を高める為に、呼吸と動きを統合します.
2) Concentration (集中)
集中する事は、自分自身に注意を向け、自分自身をコントロールする事です. 集中がなければ、エクササイズのフォームや目的が失われます.
『注意散漫で20回繰り返すよりも、完璧に5回繰り返す方がずっと良い』
3) Control (コントロール)
コントロールをしていると言う事は、エクササイズをしている間の正しいフォームやアライメント、力加減を理解し、持続できているという事です.
ピラティスのエクササイズは、体が起こしている動きや力加減を、頭で考え、体で感じながら行います.
4) Centering (センタリング)
センター = 中心軸・丹田
ピラティスエクササイズは、全ての動きが中心から外へと放出されています.動きの中で安定し柔軟性のあるセンターを作る事が、エクササイズのフォームの特徴を決める一つの要素です.
5) Precision (正確性)
正しいフォームと位置を理解し、効率的にエクササイズが行えるようになるには、練習が必要です.
正確性とは、集中・コントロール・センタリングの練習の成果のたまものです.
6) Balance (バランス)
正しいアライメントとフォームを理解し、発達させ、持続させる事はピラティスには必要不可欠です.
この原則を練習する事で、習慣となり、姿勢も改善し日々の生活の快適さが増し、身体能力も高められます.
7) Rhythm / Flow (リズム/流れ)
ピラティスの全ての動きはリズムと流れをもって行われます.
流れはスムーズでかつ機能的な動きを作り出します。それにより、関節にかかるストレスを軽減し、体がスムーズな動きの中で統合されるような動きのパターンを作り上げます.
8) Movement (動き)
ピラティスエクササイズは体全体を統合する事.
動き全体を流れに統合する事.明確性と目的を作る為に心と体を統合する事.
生活のバランスを作る為に、心と体と精神を統合する事です.
9) Relaxation (くつろぎ)
心身が健康である為に、努力とくつろぎのバランスを理解する事が必要です.
ピラティスでは、エクササイズを正しく行うのに必要な力を使う事を学びます.
リラックスする事で集中力も増し、感覚機能も増します.
体に必要の無い緊張を解き放つ事を学び、動きや生活が楽になって行く流れも身につきます.
<現代のピラティスの状況:団体について>
ピラティスは、現代の考え方を取り入れた各団体が存在しています。
世界的には、2001年よりPMA(ピラティスメソッドアライアンス)という非営利団体が認定資格を発行しており、日本にもいくつか存在しております。
PMAに属していない団体のなかにも優れた団体は多く、
アジア、特に日本人に対してオリジナルで作り上げた団体も存在します。
PMAに属した団体
・ STOTT Pilates
・ BASI Pilates
・ Polestar Pilates
・ Balanced Body Pilates
・ PHI Pilates
PMA以外
・ Pilates Japan(福岡)
・ DK Pilates
・ Body Elements System Japan (BESJ)
・ 日本ピラティス指導者協会(JAPICA)
など
各団体、かなり特色が異なります。(資格のための資格を発行してるだけ、という印象の団体も少なくありません・・・)
それぞれにあったピラティスがありますので、ぜひ自分の身体で体感して、一番あったものを習ってみてほしいと思います。
<ピラティス 動画>
ピラティスを行っているジョセフの貴重な画像です。
↑ パンツ一丁のおじさんが、ジョセフピラティスです。
マシンエクササイズの原点とも言える動画です。
↑ 屋外で行うワークアウトもあったようです。
みんなパンツ一丁です(笑)